オフィス移転を検討し始めたとき、「見積もりはいくらかかるのか分からない」と感じる方は少なくありません。
- 費用の相場が分からず、見積金額が妥当か判断できない
- 引越し・内装工事・原状回復など、何が含まれるのか不安
- 業者によって見積もり内容が違い、比較の仕方が分からない
本記事では、オフィス移転の見積もりについて、費用相場や内訳を整理し、実際の見積例を交えながら解説します。
オフィス移転の見積もりで知っておくべき基礎知識
オフィスの移転にかかる費用は、単なる「引越し代」だけではありません。
荷物を運ぶ作業だけでなく、新しいオフィスの内装工事や、今まで使っていたオフィスを元の状態に戻す工事、インターネットや電話の工事などが必要です。これらすべてが合わさって、最終的な金額が決まります。
そのため、見積もりを見るときは「合計金額」だけを見るのではなく、「何にいくらかかっているのか」を知ることが大切です。
特にオフィスの場合は、仕事を止めるわけにはいきません。そのため、一般的な家庭の引越しとは違う作業や準備が必要になります。その分、費用がかかることを理解しておく必要があります。
オフィス移転の見積もりが分かりにくい理由
オフィス移転の見積もりが難しく見える理由は、会社ごとに状況が大きく違うからです。
オフィスの広さや働く人の人数が同じでも、部屋の仕切りを作るかどうかや、引越し先の建物の設備によって、費用は変わります。
また、頼む業者によって、見積もりに含まれる作業の範囲が違うことも理由の一つです。内装工事や、元の状態に戻す工事を別の業者に頼む設定になっている見積もりもあり、単純に比べることが難しくなりがちです。
見積もりを取る目的は「判断するための材料を集めること」
見積もりを取る目的は、必ずしも「一番安い業者を選ぶこと」ではありません。
自分たちの移転計画に対して、費用や作業の内容、そしてリスクが適切かどうかを判断するための材料を集めることが大切です。
そのためには、いくつかの業者から見積もりを取り、中身や条件を比べることが必要です。見積もりは、オフィス移転の全体像を整理するための道具として使うとよいでしょう。
オフィス移転の費用の目安|広さ別の相場
小規模オフィス(約30坪まで)の場合
小さなオフィスの移転費用は、だいたい150万円から300万円くらいになることが多いです。
主な内容は、荷物の移動と、最低限の内装を整える作業です。比較的シンプルな内容になります。
ただし、今まで使っていた部屋を元の状態に戻すための条件が厳しかったり、家具をすべて買い替えたりする場合は、費用が高くなることがあります。規模が小さくても注意が必要です。
中規模オフィス(30〜100坪)の場合
中くらいの規模のオフィスでは、300万円から1,000万円くらいがひとつの目安です。
部署ごとに机の配置を変えたり、会議室やお客様を迎える部屋を作ったりするため、内装工事にかかる費用の割合が高くなります。
この規模になると、引越し作業と工事を別々の業者に頼むか、まとめて一つの業者に頼むかによっても、費用に差が出ます。
大規模オフィス(100坪以上)の場合
100坪を超える大きなオフィスの移転では、費用が1,000万円以上になることも珍しくありません。
内装工事やインターネットの工事、家具の入れ替えなどが大がかりになり、プロジェクトとして全体を管理することが重要になります。
仕事への影響をなるべく減らすため、夜に作業をしたり、何回かに分けて移転したりする必要が出てくることもあります。その場合、費用も高くなります。
オフィス移転の見積もりに含まれる主な内容
引越し・移転作業にかかる費用
引越し費用には、家具や書類を運ぶ費用、箱詰めや荷ほどきの作業費、建物に傷がつかないように保護する作業費などが含まれます。
オフィスの引越しでは、パソコンや精密機械を扱うことが多いため、専門的な技術が必要です。
また、仕事が終わった後や休日に作業を行う場合、追加の費用がかかることがあります。見積もりを見るときは、作業をする時間や日程の条件を必ず確認しましょう。
内装工事・オフィスデザインの費用
内装工事の費用は、オフィス移転の中でも大きな割合を占めます。床や壁、天井をきれいにしたり、部屋を区切る壁を作ったりする工事が含まれます。
確認すべきポイントは以下の通りです。
- 部屋のレイアウト変更が含まれているか
- デザインや設計の費用が含まれているか
- 工事をする範囲はどこまでか
これらがはっきりしていないと、後から追加で費用がかかってしまうことがあります。
元の状態に戻す工事(原状回復)・その他の費用
「原状回復(げんじょうかいふく)」とは、借りていたオフィスを退去するときに、入居した時の状態に戻す工事のことです。この費用も発生する可能性があります。
契約の内容によっては、予想以上の工事が必要になることもあります。
- 建物の持ち主が決めた業者がいるかどうか
- どこまで元の状態に戻す必要があるか
これらを事前に確認しておくことで、見積もりの正確さを高めることができます。
【見積もりの例】オフィス移転費用のシミュレーション
30坪のオフィス移転の例
30坪くらいのIT企業を例にすると、引越し費用が約80万円、内装工事が約120万円、元の状態に戻す工事が約50万円といった内訳になることがあります。合計で250万円前後がひとつの目安です。
50坪のオフィス移転の例
50坪くらいの広さでは、内装工事の割合が増え、合計で500万円から700万円くらいになることが一般的です。会議室を作ったり、机の配置を大きく変えたりすることが費用に影響します。
100坪のオフィス移転の例
100坪くらいの広さになると、1,000万円を超える見積もりになることも現実的です。工事、引越し作業、家具の入れ替えを含めて、全体を管理する力が必要になります。
オフィス移転の見積もりで失敗しやすいポイント
金額の安さだけで業者を選んでしまうこと
オフィス移転では、つい金額の安さに目がいってしまいます。しかし、金額だけで業者を選ぶのはリスクがあります。
作業してくれる範囲が狭かったり、必要な工事が含まれていなかったりすることもあるからです。
特に、内装工事や元の状態に戻す工事が含まれていない場合、結果的に合計金額が高くなることもあります。見積もりは「安いかどうか」だけでなく、「内容に見合った金額か」を判断する必要があります。
「一式」という言葉が多い見積もりに注意する
見積書に「移転作業一式」「内装工事一式」といった言葉が多い場合は、注意が必要です。これでは、何にいくらかかっているのかが分かりません。
どこまでが見積もりに含まれているのか判断できないまま進めると、後から追加費用が発生した時にトラブルになる可能性があります。項目ごとに内容が詳しく書かれているかを確認することが大切です。
追加費用が発生しやすいケースを知っておく
オフィス移転では、計画の段階では考えていなかった費用が、後から発生することがあります。
- 元の状態に戻す範囲を勘違いしていた場合
- 机の配置や家具の種類を変更した場合
- 工事の期間を短くするために、夜や休日に作業した場合
これらは、見積もりの段階で条件をしっかりと決めておくことで、ある程度防ぐことができます。
オフィス移転業者や引越し業者の選び方
オフィス移転専門の業者と、普通の引越し業者の違い
一般的な引越し業者は、荷物を運ぶことを主な仕事としています。
一方で、オフィス移転を専門とする業者は、荷物を運ぶだけでなく、オフィスのレイアウトを考えたり、内装工事や元の状態に戻す工事まで対応したりできます。
仕事への影響を減らしたい場合や、工事が必要な移転では、オフィスの移転に慣れている業者を選ぶと安心です。
業者を比べるときに確認すべきポイント
業者を比べるときは、金額以外の点も重要です。
- 見積もりに含まれるサービスの範囲
- 担当者の対応や提案の内容
- オフィス移転の実績や、企業への対応経験
これらを総合的に見て判断することで、自分たちの会社に合った業者を選びやすくなります。
見積もりは2〜3社から取るのがよい理由
見積もりを取る業者の数が多すぎると、比べるのが大変になり、判断が難しくなります。
2社から3社程度であれば、金額や内容の違いが分かりやすく、検討もしやすくなります。条件をそろえた上で比べることが、正しい判断につながります。
まとめて任せる「ワンストップサービス」が選ばれる理由
別々に頼む場合と、まとめて頼む場合の違い
「分離発注」という、引越し業者、内装業者、電話工事の業者などを別々に頼む方法があります。この場合、それぞれの業者との調整や管理が大変になります。
一方「ワンストップ対応」は、まとめて一つの会社に頼む場合、窓口が一つになるため、スケジュールの管理や情報の共有がスムーズになります。結果として、移転全体のリスクを減らしやすくなります。
費用と手間のバランスが取りやすい
まとめて頼むサービスは高いというイメージがあるかもしれません。しかし実際には、業者間のやり取りにかかるコストや、やり直しなどの無駄を減らせることも多くあります。
担当者が全体を把握しているため、不要な工事を省いたり、代わりの案を出したりといった調整がしやすい点もメリットです。
オフィス作りまで考えた移転ができる
オフィスの移転は、単に場所を移動するだけではありません。働き方や仕事の進め方を見直すチャンスでもあります。
机の配置やオフィスのデザインまで含めて考えることで、移転した後の満足度が大きく変わります。
移転作業とオフィス作りを切り離さずに考えられる点は、まとめて頼む場合ならではの強みです。
見積もりを取る前に整理しておきたい情報
最低限、伝えておくとよい情報
見積もりをお願いするとき、すべてが決まっている必要はありません。しかし、以下の情報があるとスムーズに進みます。
- 現在のオフィスの広さと、移転先の広さ
- 移転したい時期
- 部屋のレイアウト変更や内装工事をするかどうか
これらが分かるだけでも、おおよその見積もりの精度が高まります。
決まっていないことがあっても問題ない理由
移転先が完全に決まっていない場合でも、現地を見てもらったり、話をしたりすることで整理できることはたくさんあります。見積もりは、計画を固めるための材料として使うものです。
早い段階で相談することで、自分たちでは気づかなかった課題に気づける可能性もあります。
無料見積もりや現地調査を使うメリット
無料見積もりで分かること
無料の見積もりや現地調査を利用することで、以下のような点がはっきりします。
- オフィス移転にかかるおおよその費用
- 工事や移転作業で気をつけるべき点
- 費用を安くできるポイント
検討している段階でも、情報を得られる点は大きなメリットです。
早めの相談が失敗を防ぐ
オフィス移転は、準備期間が短いほど失敗するリスクが高まります。費用やスケジュールに余裕を持たせるためにも、早めに相談することが大切です。
特に初めて事務所の移転を行う企業にとっては、プロの視点でアドバイスを受けられる点も安心材料になります。
まとめ|納得できるオフィス移転は見積もりの理解から始まる
見積もりは「比較」と「中身の確認」が大切
オフィス移転が成功するかどうかは、見積もりをどれだけ正しく理解できるかにかかっています。金額だけでなく、内容や条件を比べることが欠かせません。
不安がある場合は専門家に相談する
移転作業、内装工事、元の状態に戻す工事などをまとめて考える場合、専門的な知識が必要です。無料見積もりや相談を活用し、自分たちの会社に合った進め方を見つけることが重要です。
オフィス移転は「準備」が結果を左右する
準備を丁寧に行うことで、費用や担当者の負担、そして移転した後の満足度に大きな差が出ます。見積もりは、その第一歩として積極的に活用する価値があります。


