1店舗目が軌道に乗ると、次に考えるのが2店舗目、3店舗目…といった他店舗展開です。しかし、今の店舗をそのまま増やせば、より大きな成果を再現できるとは限りません。
- 成功企業は何を仕組み化しているのか
- 店舗が増えてもブランドや品質を保つにはどうすればよいのか
- 設計や施工はどこまで共通化すべきなのか
多店舗展開の成功事例を見ると、重要なのは店舗数そのものではなく、別の場所・別のスタッフでも店舗を運営できる「再現性」をつくることだと分かります。ここでは企業事例や私たちリスビーの事例をもとに、自社にも応用できる考え方を整理します。
出店計画や物件選定など、多店舗展開そのものの進め方はこちらで詳しく解説しています。
多店舗展開の進め方を解説|成功するための戦略と注意点
多店舗展開の成功事例に共通するのは「再現できる仕組み」があること
多店舗展開では、すべての店舗を同じにする必要はありません。大切なのは「共通化する部分」と「店舗ごとに変える部分」を整理することです。
成功事例を見ると、次のような共通点があります。
- 立地を感覚だけで決めていない
- 店舗フォーマットの基本形がある
- ブランドの核となる要素が決まっている
- 店舗運営が特定の人に依存しすぎていない
- 採用・教育・人材配置の仕組みがある
- 店舗開発から開業までの工程が整理されている
- 設計・施工の仕様を次の店舗へ引き継げる
- 出店スピードだけを優先していない
つまり、店舗をコピーするのではなく、次の店舗をつくるための判断基準を共有できる状態をつくることがポイントです。
多店舗展開の成功事例から見る5つの考え方
ワークマン|店舗フォーマットと出店判断を標準化する
ワークマンでは、全国で標準的な店舗フォーマットを展開する一方、地域に合わせた品ぞろえも行っています。出店についても人口や周辺産業、交通量、競合などを調査したうえで判断しています。
参考になるのは、毎回ゼロから店舗条件を考えていない点です。
店舗面積や売場の基本形がある程度決まっていれば、候補物件が出たときに「自社の店舗が成立するか」を比較しやすくなります。そのうえで、地域に合わせて変える部分を残しています。
立地について詳しく知りたい方は、多店舗展開の立地選定で失敗しないための実践ガイドも参考にしてください。
丸亀製麺|商品だけでなく店舗体験まで再現する
丸亀製麺は、店内で粉からうどんを打つ「店内製麺」や、調理の様子が見える店舗づくりをブランドの特徴としています。
多店舗化で効率だけを求めると、1店舗目で支持されていた魅力まで薄れてしまうことがあります。
そこで考えたいのが、「お客様は何にこの店らしさを感じているのか」です。
商品だけでなく、接客、提供方法、スタッフの動き、店内で見える光景なども店舗体験を構成します。残すべき体験を決め、それを運営や空間へ落とし込むことが、多店舗でもブランドを保つヒントになります。
スターバックス|ブランドを守りながら店舗ごとに変える
スターバックスには、通常店舗のほか、ドライブスルーやBook & Cafeなどさまざまな店舗形態があります。地域の文化や素材を取り入れた店舗も展開しています。
ここから分かるのは、ブランド統一が「全店舗を同じデザインにすること」ではないという点です。
ロゴやサービスなど共通するブランド要素を保ちながら、建物や地域に合わせて空間を調整することができます。
変えてはいけない部分が決まっているからこそ、変えてよい部分も判断しやすくなります。
無印良品|地域によって店舗の役割を調整する
無印良品では、商品販売だけでなく、地域との交流や自治体との連携など、店舗を地域の拠点として活用する取り組みも進めています。
都市部の駅前店と郊外店では、顧客層も利用目的も同じとは限りません。
そのため、多店舗展開では地域への対応を内装デザインだけで考えるのではなく、品ぞろえやサービス、店舗の使われ方まで含めて考える視点も必要です。
DAISO|複数地域で新装・改装・メンテナンスに対応する
多店舗展開では、運営だけでなく店舗づくりの体制も必要になります。
DAISO(ダイソー)様の施工実績:複数地域での店舗施工事例を確認できます。
多店舗化すると、新店をつくる回数だけでなく、既存店の改装や修繕も増えていきます。そのため、完成時だけでなく、出店後まで仕様や施工情報を引き継げる体制があると店舗管理をしやすくなります。
店舗フォーマットは「同じ図面」ではなく「共通ルール」をつくる
多店舗化するとき、1号店の図面をそのまま使えるとは限りません。
物件が変われば、面積、形状、柱、天井高、入口、既存設備なども変わります。
そのため店舗フォーマットは、次のように整理すると使いやすくなります。
- 共通化するもの:ロゴ、サイン、ブランドカラー、基本素材など
- 条件に応じて変えるもの:什器、照明、設備など
- 店舗ごとに設計するもの:レイアウト、動線、ファサードなど
店舗面積や厨房・バックヤード、什器、照明、設備、スタッフ動線についても、基本となる考え方を決めておくと次の出店で判断しやすくなります。
すべてを同じにするのではなく、「守る仕様」と「調整できる仕様」を分けることが標準化のポイントです。
立地は店舗数ではなく「その場所で成立するか」で判断する
多店舗展開では、新しいエリアへ進出する方法と、既存エリアへ集中的に出店するドミナント型があります。
どちらの場合も、見るべきなのは店舗数ではありません。
- 既存店との商圏の重なり
- ターゲットとの相性
- 競合状況
- 駅前・ロードサイド・商業施設などの出店形態
- 必要な店舗面積や設備を確保できるか
などを確認し、「その場所で自社の店舗フォーマットを成立させられるか」を判断します。
多店舗展開のメリット・デメリットでは、店舗数を増やすメリットだけでなくリスクも解説しています。
オペレーションと人材も一緒に仕組み化する
店舗だけを再現しても、運営が店長個人の能力に依存していれば、店舗数が増えるほど品質差が生まれやすくなります。
2店舗目以降を考えるなら、
- 接客・作業マニュアル
- 採用・教育
- シフト管理
- 店舗管理
- 本部との情報共有
- 店長・エリア責任者・本部の役割
なども少しずつ整理していきましょう。
1店舗目で「できる人が判断していたこと」を、別のスタッフでも判断できるようにすることが多店舗化の土台になります。
設計・施工も「毎回ゼロから」を減らす
店舗数が増えると、設計や施工の回数も増えていきます。
出店のたびに仕様を一から決めていると、素材や設備が店舗ごとに変わったり、見積もりを比較しにくくなったりすることがあります。
基本となる素材、什器、照明、設備、サインなどを整理しておけば、新しい物件でも「そのまま使える部分」と「変更が必要な部分」から検討できます。
設計・施工の標準化は、単純なコストダウンだけが目的ではありません。ブランドを保ち、施工意図を共有し、将来の改装やメンテナンスまで管理しやすくするための仕組みでもあります。
店舗開発から開業までの工程は、店舗出店の流れが分かる!計画から開店までの全工程と進め方で確認できます。
成功事例はデザインではなく「仕組み」を参考にする
成功企業の店舗をそのまま真似しても、同じ成果になるとは限りません。
業種、客単価、商圏、店舗面積、組織規模などが違うためです。
成功事例を見るときは、
「何を共通化しているのか」
「なぜそこを共通化しているのか」
「自社でも再現できるのか」
という視点で考えてみましょう。
店舗数を増やす前に1店舗ごとの採算性を確認し、標準化しすぎて地域との相性を失わないことも大切です。
多店舗展開の成功事例に関するよくある質問
明確な基準はありませんが、2店舗目を検討する段階から1店舗目の判断や仕様を整理しておくと、3店舗目以降へ引き継ぎやすくなります。
同じにする必要はありません。ブランドとして共通化する要素と、物件や地域に応じて変更する部分を分けましょう。
必ず同じ会社にする必要はありません。ただし、複数会社へ依頼する場合も、店舗フォーマットや設備仕様などを共有できる状態にしておくことが重要です。
どちらも必要です。ターゲットに合った立地であることに加え、その物件で運営しやすい店舗を実現できるかも確認します。
基本フォーマットは活用できますが、ファサード、設備、サイン、工事区分など施設独自の条件に合わせた調整が必要になる場合があります。
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まとめ|多店舗展開では店舗づくりも次の出店へつなげる
多店舗展開では、1号店をコピーするのではなく、出店を重ねながら「次の店舗でも使える基準」を増やしていくことが大切です。
店舗フォーマットや設計・施工条件をまとめておけば、物件ごとの違いに対応しながら、ブランドや店舗品質も維持しやすくなります。
店舗の設計・施工実績を見る
これまでの店舗・物販・飲食などの施工事例をご覧いただけます。
「出店するたびに店舗づくりを一から考えている」「次の出店に向けて店舗フォーマットを整理したい」という場合は、多店舗展開を見据えた設計・施工についてご相談ください。
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